RNAプラザ 東百合丘

新百合ヶ丘・たまプラーザ地域の中間くらいに位置する学習塾の塾長ブログ

ブログ内容の難

このブログはどの記事を見てもパッと見て分かりやすいものがないだろうと思います。

視覚イメージを効果的に使っている記事はないはずですし、ほとんどは長文を延々と羅列しているだけです。しかも固有名詞をぼかすなどして分かりにくさを更に助長しています。大変不親切なこと限りないでしょう。

とはいえ普段の授業ではそこまでクドクドしいことはしていません。まあやってはいますが、教科勉強の範囲では原則として(少なくともブログより)簡素化しています。

言うなれば相手に合わせるといったところに近く、子供相手には変に複雑な話はするだけ逆効果です。しかしながら、賢い子供になら難しい話もします。ややこしい文章を使って説明することもあります。

 

つまるところ、このブログは基本的に子供が読むものと思っていません。親が、大人が読むはずです。それならこれくらいでもまあ読み通して欲しいな、と思っています。

読んで完全に理解しろとは思いませんが、見た目にキャッチーな案内だけに惹かれるようであればどうかなと思っているので、「大体読んだ、概ね分からん」くらいの感想になる程度にちゃんとした人が読んでいるなら良いや、という感じです。

「(部分的に)読んだ、(目に入ったけど文章は入ってないから)分からん」では"子供の教育"を担う責任はちょっと感じられないと思っています。

今後の世の中は、これからの世代は人間に求められる要求水準がかなり高くなると言われています。現時点でも昭和幅のスペックのうち下位10%以上は最低水準さえ満たしていない扱いです。これが次の世代でまた更新されます。情報リテラシーの範囲ではそれが顕著でしょう。

 

人間が集中していられる時間など、たかが知れています。フルパワーの持続時間など一息程度、精々1分です。世の試験問題だって、結局はそんな数分単位で分割できる程度にしか作られていません。試験慣れした偏差値エリートでさえ5分もすれば一瞬くらい集中が断絶します。一度に処理できる情報量がその辺で決まるわけです。

そうした情報量の断片を繋ぎ合わせて何十分、あるいは百数十分という試験時間をこなし切る情報処理スキルが学力の大きな一要素ですから、そうした実情に向き合う姿勢を醸成するにはこのブログもちょうど良い形態かもしれません。

勿論……読むだけの意義を感じれば、の話ですが。

中学入試「お得な学校」の実態

正月三が日も終わりまして、そろそろ受験シーズンも目前です。

幸い今年はウチに受験生がいないので、去年までのような緊張感はありません。

 

さて、この半年ほど後回しにしていた話を順々に進めていきたいと思います。

まず最初は「お得な学校(の実態)」

たまに何らかの媒体で出る記事に「入りやすいのに東大に◯人!」みたいな形で挙がるタイプのアレです。

「我が子を伸ばす学校」のような表題のこともありますね。

これらは特定のメディアを指すわけでも特定の学校を示すわけでもありませんが、概ね類型としてそういう話が持て囃されるけれども、じゃあ実際のところは?という解説です。

 

それでは分かりやすいところから。

かなり乱暴な単純計算をすると、中学受験偏差値65程度あれば浪人ながら東大には行けるようです。東大受験層相手には中学受験偏差値60くらいと言う方がイメージ通りかもしれません。大手塾によって用いられる偏差値が違うことによる偏差値イメージの差ですね。一私自身が一番良く知る駒場東邦を例に出すと、偏差値65くらいと認識しているか60くらいと認識しているかの違いみたいなものです。つまり、駒東合格ラインの偏差値帯の子は最終的に浪人東大というパターンになりがちということになりますね。

でも実際はそうでもない。駒東の東大合格率は浪人含め大体25%くらいになるから、計算が違うじゃないかということになる。それはなぜか。

第一に、京大や国公立医学部に進む子たちの存在があります。毎年10%以上はそういった進路を選ぶ子がいます。しかし、学力レベル的には東大ですね。

それでも3分の1でしかない。一橋、東工、及びほかの旧帝大を含めてもまあ50%ちょっとです。

それは入学者の平均値(中央値)が65(60)ではないからです。どこの学校でも同じなのですが、偏差値表に載っている学校の偏差値よりも、実際の入学者はやや低いようです。

駒東だとそれが大体61~62になるわけですね。これは65の偏差値表のやつです。

そしてこのちょっと低い数字が「50%合格」ライン。また、65というのは80%合格ラインの数字です。知ってる人は知っているはずですが、こうした学校偏差値の意味はちゃんと定義されているわけです。つまり、某模試で偏差値65の子が100人受験したら80人以上合格するという数字が65であり、50人以上合格する数字が62だったりするわけです。

割合の話だったんですね。

ということは当然、偏差値61以下だけど合格しちゃった子が入学者のほぼ半数ということになります。これは入学者の平均値からの話ですね。ちょっと話の順番がややこしかったかもしれません。

また、偏差値55くらいでも10人以上入学しています。レアですが、います。

となると、実は65に(明らかに)届いてない子が半数以上ということになるわけです。先の"東京一工+旧帝大&国公立医"の数字に近似しますね。

個人レベルで見れば必ずしも入学時の"持ち偏差値"と同じ結果になるわけではありませんが、集団となるとなんとなく相関します。統計レベルと呼ばれるような読み方ですね。

 

さて。

こうなればなぜ最初の"お得な学校"が出現するかが分かります。

単純に「その学校が好きだから」などで第一志望にする子がたまたま東大レベルに頭が良かった可能性はありますが、偏差値65でも20%くらいの子は不合格なのです。受験生の数を考えればそれなりにいますね。

別に駒東に限りません。それくらいの学校偏差値のところは割とたくさん存在します。麻布にせよ、海城にせよ、早稲田にせよ、それ以外に数校ありますが、これらの偏差値帯をギリギリな学力で併願することはあっても、まああんまり期待はできません。滑り止めの学校を受けるはずです。

ちなみに、偏差値65ピッタリに限っても受験生全体から見れば600人……まあ、500人以上はいるかなと計算できます。そのうちの20%、100人が不合格となれば彼らが偏差値55などの学校へ行くわけです。5校くらいに分散しても各校20人はいますね。その上、落ちてくる子は別に100人ではないわけです。例えば開成落ちをよく拾っている午後入試の学校などがありますね。さすがに開成落ちは日程的に早稲田や海城、筑波大附属などの2月3日試験日の学校で大半を回収しそうな気もしますが(渋幕などの1月校もありますね)業界人ならまあ常識でしょう。

駒東が筑駒落ちを拾っていたり、今では力関係の逆転した聖光から拾っていたりするのと同じ関係です。

 

そういうわけで、上位校を落ちてきた子が中堅校の難関大合格実績を挙げているというカラクリがあります。何とか入れさえすれば我が子を伸ばしてくれて大学でリベンジできるというわけではないのです。偏差値55の学校に入学した50の子と60の子が同じであるわけがないということですね。

さらには、記事によってはもっと詐欺的な比較をしていることもあります。

複数の入試日程がある学校、あるいは複数の選考基準がある学校の"低い方の偏差値"を基準にするタイプです。例えば2/1で50、2/4で60の偏差値ラインだった場合に「偏差値50の学校なのに大学合格実績が!」といった取り上げ方をするやつです。当然ながら、その実績の多くは2/4の子たちが出しています。

 

学校というものは良くも悪くも集団です。特定個人徹底サポートするならともかく、全体が傾向に沿って動いていく以上、普通に暮らしていてシャッフルされたり逆転したりはあんまりしないもの。個人レベルであれば個別の事情があるので入れ替わったりもしますが、果たして我が子は"そんな事情"か?ということは念頭に置いて読むべき類いのものだと思います。

 

図形問題の解答

図形問題の解答の方です。

数字問題(問1)は前記事をご参照ください。

 

まずは問題を。

これも当然のようにセンスが問われますね。

教科書だけやっていては恐らく解けないタイプの問題です。

センスがどう、といった話は数字問題の記事の方で説明しておりますので、ここでは割愛。

重要な点は「センスもまた鍛えるもの」といったところです。

 

 

それでは解答。

シンメトリーが美しいですね。

例によって数字問題の方と同じく、別解があります。

むしろこれは「特殊解」と分類されるもので、いわゆる「一般解」が無数に存在します。高校数学で y = ax² + bx + c を一般式と呼ぶのと同じように、ほんのちょっとずつ位置を変えていこうとも成立します。それに対し、この正解は言わば二次関数の"頂点座標"が原点にあるとき……つまり y = ax² という表記になる、中学数学で扱われる"放物線"と同じ立ち位置ということになるわけですね。

となると、一般解というものはより高度で難しいものということになります。

果たしてその難しい一般解を見つけることが出来る人はできるのでしょうか?

数字問題の解答

公開している数字問題の解答を載せます。

必ずしも中学以降の"数学"を使う必要はありませんし、力技で当てはめていけば解けるものでもありますが、じゃあ高校生や大人だからといって解けるわけでもないようです。

つまるところこういったものはセンスを問われるもの、そしていわゆる難関校の問題は知識だけでなくセンスも鍛えなければならないわけです。

 

まずは問題そのものを。

答えは1通りではないので、ちょっと弄れば別解を見つけることが出来ます。大した違いではないですが、自分なりの答えを導いてみたいというときには挑戦し甲斐があると思います。

 

では答えを。

 

規則性という観点ではそこそこキレイな答えではないでしょうか。

こうした観点は、例えば灘ではちょっと合わないようですが筑駒や御三家ではしばしば見かけるものです。ということは、彼らはこうした問題にめっぽう強いのだろうと推測できます。

IQが測る方向性にもこういった部分があるようです。やみくもに教科書やテキストだけを勉強していると伸び悩むという原因はこうしたところにもあるわけですね。

進学校の分析4

今回は共学校を含めた、6カ年平均するだけの面白みがあまりない学校を扱います。

取り敢えず今回で6カ年平均を区切りにしようと思っています。女子校や公立は……気が向いたら。

 

11校目。

グラフ11:T校

世間的には受験業界的ではなくゴシップ的な立ち位置で有名になってしまった学校なんですが、当校自体は何も悪くないんですよね……

単年度で見るときれいな7年周期が見えます。2001、2008、2015ですね。しかし2022では逆の変化です。ゴシップ的な要素が影響した、だったりするのなら面白いのですが。

長期的には減少傾向のようにも見えなくもありませんが、これくらいなら誤差の範囲のように思えます。

 

12校目。

グラフ12:T校

減る時は減りますが、盤石の安定性です。K校でもそうでしたが、トップ校とはこういうものという感じがします。

グラフとしては面白みがないですけども。

 

13校目。

グラフ13:G校

厳密にはイニシャルが違うのですが、通りの良い方で。

風聞といいますか、いわゆる不祥事の影響が致命的だったようです。

かつての隆盛は見る影もなくなり、6カ年平均を見るまでもなく右肩下がりです。優秀な志願者が戻ってくることはあるのでしょうか。

 

14校目。

グラフ14:A校

なんとなく減少しているような気もしなくもないですが、言うほどではないと思います。単年度で見るよりも正しく見れるという意味では、今回の中で唯一意味のある6カ年平均かもしれません。

この学校は見た目より下位層が重い(それでも充分優秀なのですが)ので、そちらの方がデータ化による面白さは出ると思います。

ただ、最近はS校との競合がじわりと影響しているみたいですから、今後どうなるかは分かりません。

進学校の分析3

今のところ男子校に限った載せ方をしているので、気が向いたら女子校や共学校もグラフ化しようと思っています。

 

さて、7校目。

グラフ7:W校

比較的長い期間を以て増加していることが分かりますが、ここ数年は頭打ちといった状況でしょうか。入学偏差値や志願者数などの人気自体は継続して上昇しているため、頭打ちの要因はほかにあるのでしょう。

逆に言えば、20年以上前との違いは人気だけかもしれません。昔から教育スタンスは確立していて、時代が追いついてきたという感じです。

 

8校目。

グラフ8:T校

比較的隔年現象が強い学校ですが、6カ年平均にしてみるとほぼ一貫して減少していることが分かります。立地の問題もあると言われているのですが、私見では逆に立地が最後の踏ん張りを支えていると思っています。ある程度都心から離れた地域の最優秀層は最難関校に通うのも厳しいので、郊外の名門校に一定数が集まります。そのため、中学入試の偏差値から見ると実績が良く見えるという構図です。

 

9校目。

グラフ9:A校

一度だけ極端な変更を起こしたタイミングこそありますが、基本的には安定しているため6カ年平均で見る意義はあまりなさそうです。ランキングでもいつの間にか位置する順位帯を変えていて、急激ではないものの堅実に伸びて行っている学校だと思います。

 

10校目。

グラフ10:E校

ここも変動の大きい学校ですが、6カ年平均に直すと驚くほど安定しています。何だかんだ言っても地域の超名門校です。6カ年平均を出してみるまで、もっと大きく変化していると思っていたのですが、想像以上に盤石でした。最近は競合校(?)の繁栄に隠れがちですが、今のところはうまくやっているような気がします。

 

 

男子校だけで10校。

進学校も結構数がありますね。あと2校くらいは男子校の区分に存在すると思うのですが、正直あまり面白くないです。生データの時点で大体想像がついてしまいます。

進学校の分析2

3校だけしかやっていないわけではないので、続けていくつか載せていこうと思います。

 

4校目。

グラフ4:S校

変化の分かりやすい学校です。大体7年周期くらいで単年度変化をしているので、それで持ちこたえている感があります。この7年周期というものは界隈だと有名な話で、例えば2012年に合格実績が話題になり従来よりも優秀な層が志望校に追加、2013年に受験した世代が卒業する2019年にだけ(彼らの地力により)実績が良くなり……というサイクルの話です。

6カ年平均にすると実変化に近くなるような気がします。

 

5校目。

グラフ5:K校

きれいに7年周期する……ようにはとても見えない乱高下です。その意味で前校とは対照的な学校です。一番実績の悪い頃を見て入ってくる世代の方がよく出来る、という不思議な動きをしているような気がします。

6カ年平均にしても単年度ごとの動きとあんまり差がないので、ある意味一番つまらないグラフかもしれません。まあ、のんびりしているというのは校風通りという気もします。

 

6校目。

グラフ6:K校

隔年現象が激しいので、6カ年平均が一番刺さる学校かもしれません。

長期的な変化も今のところは誤差の範囲だと思うので、イメージよりはずっと安定しているような気がします。グラフ作成前はもうちょっと全体的に上昇傾向かと思っていました。

ただ、近年の人気上昇により入学者のレベルも上がっているようですから、今後また変わってくるかもしれないとは思われます。

 

 

あと2セット、6~8校ほど続けようかと思っています。

データ範囲を東大に限っている以上、(主に首都圏の)難関校にしかグラフ化の意味がないので数に限りがありますね。

なお、対象範囲の全校を載せる予定ではありません。