RNAプラザ 東百合丘

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高校別世代毎東大合格数 3(終)

入学年(卒業年)ごとの東大合格数の第三弾、計算ルールは2023現役合格数+2024浪人合格数で統一です(2浪カウントなどは無視するものとします)

なぜこの3校をセットにしたかというと、単純に今まで取っていたデータの残りだったからです。

なので比較の意味があるというより、データを使い切るというだけの形ですね。

 

さて、まずは早稲田。

一旦落ち着いたかに思われた上昇も俗に言う7年サイクルを経て再び始まったように見えます。2018年入学も現役で既に32人ですから、来年も例年通りの浪人合格数であれば40人に達するでしょう。

 

栄光はばらつきが大きいように見えますが、大きな傾向として聖光が増えた時期と栄光が減った時期はなんとなく重なっている気がします。聖光は都内から集めている優秀層が多いといわれていますが、競合する栄光からも当然のように持って行っているわけですね。

 

そして学芸大附属。

ここ数年の急落で大きく騒がれるようになりましたが、学年ごとに見てもほぼ一貫して減少しています。2018年入学は2011年の結果を受ける7年サイクルかのようにちょっと持ち直す予測になるのですが、高校入試があるのでこの学校の場合は必ずしも7年サイクルは適用できません。単純に2017年入学が不祥事報道直後の世代であり、リバウンドと見るのが適切だと思います。高校入学組も2017年入学(2020年卒業/中学での2014入学と同世代)からが影響を受けていますが、傾向を決定づけたとまではいえません。

最も大きなインパクトを与えているのは日比谷と翠嵐でしょう。グラフの通り、2008年入学の頃には既に急落が始まっています。高校入学組における2011年世代です。翠嵐は2011年入学付近から、日比谷は2007年入学付近から東大合格者数が1つ上の規模になりますから、中学入試のみならず高校入試でも優秀な生徒が他所へ流れるようになったことが窺えます。

この学校については校内の様々な要因について議論が絶えませんが、最終的にトドメとなるのはそういった獲得競争という外的要因です。校内環境は最優秀層の合格実績に決定的な影響は与えませんが(中間層や下位層には影響します)、外的環境は最優秀層そのものを増減させることになるわけです(それが間接的に合格実績を左右することになります)

 

ともあれ、これでひとまずこのシリーズは終結です。

新たな学校を集計するなどまた新たなデータ追加を行った際は再開するかもしれませんが、最近は毎年この時期に最新結果を更新していくだけなのでたぶん来年まで何も加えません。

高校別世代毎東大合格数 2

入学年(卒業年)ごとの東大合格数の第二弾、計算ルールは2023現役合格数+2024浪人合格数で統一です(2浪カウントなどは無視するものとします)

 

開成は2013年入学が飛び抜けて良く、200人を超えています。元々180人(45%)を超える学年はあまりなくて、ほとんどは160人(40%)前後です。この期間では2009年入学組(2015年卒業)と2013年入学組(2019年卒業)の2回だけになります。

 

また、筑駒が期間の始終でちょっと減っているように見えますが、戻ったというべきかもしれません。2008年入学~2013年入学だけが、ほかの期間より東大合格者が多いのです。

 

聖光は着実でこそあるものの巷で騒がれているほど伸びていないように見えますが、むしろこれからです。2018年入学組(今年卒業)が2度目の筑駒との逆転を果たす可能性が充分にあるので、傾向としてそのまま固定化する未来もあるように思えます。

ダブル合格の際に蹴られる側となった学校出身としては些か歯痒い気持ちです。

 

この3校は今や首都圏進学校のTOP3として他の追随を許さないグループとして確立したといえそうです。これまではツートップといった形であったところに聖光が入ってきたわけです。2番手集団が10校近くひしめいているのと比べるとスッキリしていますね。

とまあ、今回はこんなものになります。

年次で追っていくような内容を書くと、こうした頂点校ではあまり分析も何もないです。余計なことを書くならばいくらでもありますが……

メディアに登場する記事の話

ネットニュースの雑誌記事に出ていた、最近頻繁にメディア露出を始めている人の最新稿がそこそこ気に障りました。表面的なテーマは「中学受験はコスパが悪い」でしたが、ライターの称する肩書の割にはあまりに低質な論考をしていました。悪質と言った方が正しいかもしれません。

つまりどういうことかというと、表面的には社会のため他者のために有益な情報を発信している形ですが、その実として自身への露骨な利益誘導に大きく偏っているわけです。

多少そういう面が入るのは良いと思いますが「(自分の言説により)他人に生じさせた不利益を自身の利益の原資とする」姿勢が窺えるから気に障るわけです。

思へらく、いわゆる育ちの悪い人が一度社会的に大成功すると大変に非道徳的で近視眼、非協調的なやり方で社会的権勢を求めるケースが目立ちます。最も代表的な例が旧日本海軍ですが、彼ら海軍軍人たちは(特に陸軍に比べて)貧困家庭の生まれが多かったといわれています。戦前の軍部暴走は陸軍が主体だとされていますが、日中戦争の泥沼化や日米開戦にまで至ったのは概ね海軍の行動によります。また、満州事変をはじめとした陸軍の暴走事件は基本的にその実行主体が貧困家庭出身の将校中心だということです。

これらは単に実行犯という話ではなく、穏健派の静止を振り切って強引に事を進めていく推進者としての位置づけになります。さらには、戦後のいわゆる海軍善玉論(陸軍悪玉論)という形でも社会に対する自己有利な宣伝のモチベーションが感じられます。事実・真実よりも利害で動くわけです。

 

よくいえば上昇志向ともとれるこうした姿勢ですが、育ちの良い人が集まるとそのように他者を蹴落とし貶めてまで自己の利害を優先するする人はそこまで登場しません。少なくとも、露骨な虚偽を用いることはあまり見受けられないようです。

もちろんゼロになることはあり得ないのですが、割合が変わってくるというわけですね。

ある意味ではそこが中学受験最大のメリットかもしれません。

基本的に伝統校、難関校を中心に育ちの良い家庭の子が多くを占めることになりますし、実は入試偏差値の低い学校も「中学受験では」育ちの良い家庭の割合が高くなります。

学力の高い子に育ちの良い家庭が多いのは直感的に分かると思いますが、低いところでも高いのはなぜか。それは、中学受験が結局は少数派であることに起因します。それも、学力基準で参入する世界であるからこそ、低偏差値でもわざわざ受験する層は競争的上昇志向が薄いわけです。当然、相対的に平和で平穏な生活が見込まれます。

 

といった話を踏まえれば、例のライターはこうした理解を持っているとは思えませんね。意図的に取捨選択するようなポジショントークを抜きにしても、そもそもそんな視点がないからです。

 

「高学歴は高校受験で都道府県トップの公立高校に入り、進学塾に通わせるのがコスパで最大である」といった結論を示し「渦巻く異常な中学受験ブーム」と表現している"印象操作"が端的に狙いを表していますね。

彼がどういう機序で狙いを実現させようとしているかは、ここまで読んだような人であれば想像がついていることだと思います。

逆に、私がこの話を取り上げて何を言わんとしているかも分かっていると思います。

自己利益誘導のために虚偽や欺瞞を用いて他人に不利益を生じさせるような行為は容認しがたいという話です。

ある個人にとって中学受験が良いか高校受験が良いか、あるいは小学校受験などもある中でどれがコスパ良いのかなど、その子の気質・環境そして運によっていくらでも変わります。さらには確率的ですらあります。

 

こういった記事のライターは定期的に新しく登場するものですが、(健全な意味で)このような言説が出てこないような世の中になると良いなと思っています。

高校別世代毎東大合格数 1

今年の高校別大学合格実績も筑駒まで出たので、データとしては粗方揃ったといえるかと思います。

さて、しばらく前に6ヶ年平均を出したのですが、今度は趣向を変えて入学年(卒業年)ごとの東大合格数を見ていきます。計算的には2023現役合格数+2024浪人合格数といった形に統一します(2浪カウントなどは無視するものとします)

ここ10年分をグラフ化しました。

年度は入学年度で目盛りを振ったので、2017年が去年(2023)卒業、つまり今年浪人合格した世代です。

偏差値帯としては似通った東京の4校ですので、基本的には受験生を取り合う関係にあると考えられます。

色々手を加えて見やすくしても良いのですが、面倒臭いので文章だけで記します。

麻布は過去6年のトレンドとして唯一明確に下降しています。それでは(東大と人数をシーソーする)国公立医学部が増えたかといえばそうでもありません。むしろ、東大の下降に合わせて減少しているので最上位層自体が大幅に減少していることが読み取れます。

いわゆる80%偏差値はこの10年であまり変動なしですので、合格者の中で入学者の分布が変わったと見るのが妥当かもしれません。

人気自体はじわじわ上昇している武蔵も、偏差値として実際に大きく数字が動き始めるのはこのグラフの後の世代からになります。駒東や海城には長期的に見た大きな変動はなさそうですが、グラフの期間において海城は80%偏差値が大きく上昇しているので入学者の質は変動しているはずです。ちょっと謎です。国公立医学部での上昇が全部持って行っているのかもしれません。そう言えるくらいには、そっちは増えています。

 

次は筑駒、開成、聖光のセットを載せます。

この3校は長期的動きがあまりなくて、正直面白くないです。

ここ数年なんだかんだ話題になっていた聖光も、単年度の数と違って去年卒業の世代までは実は爆発的な増加ではなかったんです。ある意味ではそこが一番面白いところかもしれません。

陽キャと陰キャ あるいは自信とやる気

ちょっと異色な表題かもしれません。

ただ、この時期のテーマとしては必ずしもおかしなものではなく、進学等で新たな環境へ移る人やその関係者にとって結構大事なものではあるわけです。

直球で言えば御三家や最難関校で、あるいは最難関大学などで。

どうしてそこへ合格するほどのの実力を持った子たちが深海魚になり、実力不相応な進学や就職をしてしまうのか。必ず一定数はそうなってしまう、その理由は何なのかという話です。

特に中高から大学への進路は顕著ですよね。

大学卒業で新卒就職する際は、そこで問われる選抜能力が大学入学時に求められた"学力"であるとは限りません。

しかし、中学入試や高校入試において問われる能力は大学入試で問われる能力とほとんど同質の学力だといえます。異論はほとんどないでしょう。

しかし東大合格者数ランキングに常連となる、しかも率においてもベスト何といったような超進学校であろうとも"入学時の学力に見合った"進学先へ行く子は大雑把に見て半数くらいではないでしょうか。

有名税として開成に出てきてもらいます。2023卒業、つまり去年の子たちはどうなったか。

今年の浪人合格を全員去年の卒業生だと仮定しても

東大:150(118+32)

京大:7(5+2)

国公立医学部:21(15+6)

計178名(卒業生総数393名)

約45.3%となり"開成らしい"行き先で考える限り「浪人まで含んでいるにもかかわらず」入学時の学力に見合っていると考えられるのは半数もいません

もちろん注釈は色々付けることができるでしょう。海外大がとか、一橋や東工、他の旧帝はとか進学先を偏差値で決めるものでは云々……

しかし、そういった追加を盛り込んでいったところで規模感は変わりません。

100%どころか80%にも遠く届きませんし、そもそも半数を超えるかだって怪しいのです。

では半数もの開成合格者がまぐれだったのか?

首都圏中学受験生のTOP500が、高校受験生のTOP200が、全国とはいえ大学受験生の東大定員3000の枠にすら入れないのか?二度挑戦しても?

京大と国公立の各医学部を足せば1万を優に超えます。業界的に"東大相当"といわれる学力難易度を求められる入試です。この辺りの入試は推薦や地域枠等を抜いてもほぼ変わりません。

開成に特有かといえばそうではないですし、去年の現役合格率で開成を超えたと話題になった聖光も上記計算式なら浪人込みで113/229=49.3%ですから規模感は大差ありません。

学年下位の方は下位の方で、開成卒MARCHはいますし日東駒専もいるわけです。

開成卒日東駒専はその実物を自分の目で見て接して話をしたので実在することはこの目で確認しています。なるほど頭の良い子でした。10年以上前の話なので今よりも更に開成がすごかった時代です。

 

さて、ここまでが論題の背景といいますか、前段になります。

話がクドくて長いので、既に飽きてしまった人もいるかもしれません。

これで大体1000字を要して背景説明をしたわけですが、読むのであればこれくらいは難なくできると良いだろうな、と思います。

書くのを要求するのはちょっと大変かもしれませんね。大学のレポート1つ挙がってしまうと思います。

 

余談が過ぎました。

世間的に自信の有無が能力発揮の成否を握るという話は聞いたことがあると思います。

だからこそ学校でも勉強で成功体験をつけさせてあげれば成績が上がるはず、やる気が出て勉強をするようになるはず、良い大学へ行けるはず……

そういった想いを抱く家庭は少なからず存在し、そして先述のような学校にも遍く実在し、けれども何割かはその想いごと海底に沈み大学で打ち砕かれるわけです。

「成功体験の選び方が悪かったのか」

そう考えるご家庭は少なくありません。テストの選び方が悪かったのか、教科が良くなかったのか、先生が悪いのか塾がいけないのか友達が良くないのか。

「小さな成功では効き目がなかったのではないか」

そう思って小テストではなく定期テストで、それでも無理だとなれば模試で。

「大きな成功を求め過ぎたのではないか」

実現性を考慮すべきで、非現実的な目標では結局一度も届かずに終わる。

様々に頭を悩ます話を見聞きしました。

どれもよくありそうな話ですね。

しかし、これらは全て「ある程度自信がついている人」にしか効き目がありません。

本当に行き詰まっている場合は全部悪手です。

その場合に本当に必要なのは成功体験ではなく「許され体験」です。

「あ、失敗しても大丈夫なんだ」という、失敗からの生還が実感できて漸く自信への道が始まります。いわゆる「叱るな、怒るな」といった指南のタイプはまさにこれです。

恒常的な不安は人を無能にします。一時的な不安とは違うわけです。許され体験を積み重ねて安心感を持ってから「成功体験」のフェーズに入るわけです。

その境を見て取ることができる人はちょっと少ないと思います。

そもそも、この理解を持ち合わせている人自体が少ないです。

良くて"どちらかだけ"ですね。許され体験だけでも足りませんから、両方を上手く扱える必要があります。

これらだけで先に挙げた進学の差が出ます。ほかの要因でも影響はありますが、これだけでも出てしまうのです。

学校であまり自信のない、いわゆる陰キャな子が成績上位であることがあるでしょうか?実際はあまりないと思います。元の学力的に同質な集団では特にそうです。

つまり、陰キャというのは「自分が何かをするのは許してもらえない」といった恐怖と不安が恒常化した人です。怯えの姿勢です。努力をするのは笑われる、結果が出てさえ(まぐれ扱いで)認めてもらえない、客観的には出せているはずの結果さえ"バカにされる"ことで評価を覆されるという恐れが付き纏う、そういうものの程度が陰キャの程度です。

逆に、陽キャは「自分が何をしても許してもらえる」という自信があります。安心感があるのでのびのびと暮らせます。努力することに恐怖はありません。

「やる気があるのか?」という詰問は、言い換えれば「陰陽どちらだ?」と迫っているも同義です。不安がない環境で期待ができる事柄に対してはやる気が出ます。

だからこそ、本質的に成績を上げたり雰囲気を良くしようと思ったら時間がかかるわけです。それが待てないようでは一時的な変化を無理に起こしているだけになりますから、後でしっぺ返しが来ます。

個人の才覚や能力に呼応した環境を作るのが最大の教育効果になると思っています。

だからこそ、ある意味そのゴールたる"本物の"自信家たちの集まりには競争の環境を用意してあげれば良いわけですね。

 

こういった話は大人になってからも大いに人生を左右します。

子供なら尚更です。

ここではざっくり主要な話だけを書き出しましたが、より踏み込んだ話、個々のケースに即した話など重層的な知識はまだまだ深く存在するわけです。

どこであっても、それらを踏まえた向き合い方ができると嬉しいですね。

大学入試講評1

大学の合格発表、特に東大の高校別合格実績が大半出揃いました。

開成、麻布、駒東をはじめとした都内男子校の不調に比して聖光、浅野といった神奈川勢や各県公立校のコントラストが目立ちますね。

駒東に関しては入学当初からこの学年は怪しそうだと囁かれていたので高3の結果はまあ納得なのですが、不思議なのは浪人。ポツポツと増えて7名ではありますが、ここ20年近くは10名を切ったことがありません。少なくとも、このままの数字であれば30年以上見て最も少ない人数になることは間違いないです。

京大、一橋、東工などは現浪ともにまあ誤差の範囲かな……という人数です。国公立医学部が増えて東大が減る、というパターンでもなさそうです。こちらも例年の、やや少ない方。ここでも浪人生が極端に少なく、東大と合わせて「志望者は去年の現役時にほとんど受かってしまって浪人に残っていなかった」という見方をするには些か数字が乖離しているような気がします。

 

さて、各公立校について。

翠嵐は昨年通りで良好な結果を残しています。都立日比谷や埼玉県立浦和も近年最大級の調子です。浦和高校は最近ニューストピックに挙がっていましたね。

早稲田、浅野、渋渋などもじりじり数字を伸ばしていて、勢いを感じます。最も飛躍したのは市川(千葉県)でしょうか。入試環境が変われば合格実績も一変するという象徴という様相です。学芸大附属も近年続いた暴落の反転が起き、歯止めを期待できそうな雰囲気を出しています。

今年は公立校が強かったという点では、栃木県立宇都宮や千葉県立船橋などの各県トップ校で昨年より大幅に結果が良かった高校が多く、昨年と同程度は数多くとも減少があまり見られなかったという辺りにポイントがありそうです。

東大では時折起こることではあるのですが、公立校の受験生とマッチした入試問題になることがあります。大概の場合は理数科目の易化です。

なので、大まかな傾向だけであれば入試日には、つまり2月中には大体予想がつくといわれています。統計規模での動きは分かりやすくて良いですね。

思考トレーニング

この時期は花粉症が大変、というのは多くの人に共通するところだと思いますが、自分の場合は例年2月の中旬には症状が強くなっているので、大学受験のシーズンは大変でした。前期であっても国立の試験日程は花粉症で明暗を分けてしまう受験生もいるのではないか、と常々思っています。逆に中学受験のシーズンは基本的に花粉症の直前期ですから、そこだけ見れば大学入試日程を前倒しするのも良いんじゃないかと思ってしまいます。

とはいえ安易にそういうことをすれば別の問題でややこしくなりますね。何かを変えるときは大概の場合、多数の条件を並行して考えなければならなくなりますが、そういった工程を複雑な思考と捉えれば良いのだと思います。いわゆる難問、複雑な問題を解くにあたり必要とされる能力で主要なものの1つがこのタイプの"複雑な思考"、つまりどれだけ並行して思考できるかというものになります。

別に全くの同時に思考できなければならないわけではなく、ある問いを受けて解を出すまでの間にいくつ並行できるかという区分になりますから、ある瞬間に思考できる事柄自体は1つで良いわけです。それをどうやって擬似的に複数の並行という形に直せるかというテクニックを身につけるのがいわば"見えない学力"であって、短期的には点数や成績に直結しない地力の類いを磨くことにほかならないわけですね。

 

ところで、浅野が入学定員の削減を決定したというニュースがありました。270名中の30名を削減ですから、今後の一学年は240名です。個人的には馴染み深い人数です。

何かが大きく変動するには規模が小さく、影響が波及していくことはないだろうと思われますが、この決定をした人たちが見据えている先はどんなものでしょうか。直接本心を聞くことはできないのでふわっとした想像でしか物を考えることが出来ませんが……もしかしたら栄光かな?という気はしています。流れによっては不可能ではないので、もしかしたら何某かの数字が追いつく日も来るかもしれません。

意思決定というものはただ1つの要素のみで行われるわけではありませんが、説明にあたっては1つに絞った方がよく通ります。やり過ぎると陰謀論じみた話になってしまうので妥当な範囲内での、意思決定の理由というものを考察するのは良い思考トレーニングになると思っています。